法人向けVPNおすすめ5選！VPNと専用線の違いや費用相場いくら？

リモートワークの普及や海外拠点とのやりとりが増える今、企業にとって安全かつ効率的なネットワーク環境は不可欠です。そこで注目されるのがインターネット回線を用いてセキュアな仮想専用回線を構築するVPN技術です。

本記事では「法人向けVPN」に焦点を当て、VPNと専用線の違いや費用の目安、導入メリットなどを分かりやすく解説します。

高まるセキュリティ要件への対応やコスト削減を狙う経営者やシステム担当者にとって、最適なサービス選びのポイントや導入のコツをご紹介します。

大切な社内資源を守りつつ、リモートワークをはじめとした柔軟な働き方を実現したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

本稿を読み進めることで、VPNの仕組みや専用線との比較、法人向けのコスト相場などを体系的に理解できるでしょう。

　

VPNとは？

VPNはインターネット上で安全な仮想的な通信経路を作る技術です。

企業や個人がネットを使ってデータをやり取りする際、盗み見られる危険が高まることがあります。

そこでVPNを使うと、通信内容を暗号化し、外部からの不正なアクセスを予防できます。特に法人では顧客情報や機密資料など扱う情報が重要なので、セキュリティを高める手段としてVPNの導入が検討されることが多いです。

もしVPNを導入しないと、外部からの攻撃リスクが高くなり、従業員がリモートワークをする際にも情報が流出する危険が大きくなります。

VPNは「Virtual Private Network」の略称です。

専用線を引く場合に比べて、導入コストを抑えながら安全な通信を実現できる点が特長といえます。法人用として利用すると、営業所や海外支社など複数拠点の間を安心してつなぎ、社内ネットワークを活性化させる効果があります。

離れた場所でも社員がスムーズに社内資源へアクセスできるため、業務の効率向上に役立ちます。さらに、VPNはインターネットを介してつながるので、設置拠点や回線の制約が少なく、柔軟な運用ができるメリットもあります。

一方で、法人用VPNの導入には初期費用や管理の手間が発生します。

セキュリティ設定を十分に行わないと、逆にリスクを増やす可能性もあります。そのため、VPNに関する基礎知識を理解し、自社の状況に合った導入計画を立てることが大切です。

この記事では、法人VPNの仕組みや費用相場、メリット、そしておすすめVPNサービスを紹介していきます。コスト面やサポート体制もしっかり検討して、法人向けに最適なVPNを選びましょう。

VPNの基本的な仕組みと役割

VPNは主に暗号化とトンネリングという2つの仕組みを組み合わせて安全な通信を実現します。

暗号化は、通信内容を第三者に読まれないようにする技術です。さらに、トンネリングはインターネット上に仮想的な専用回線を作るイメージで、外部からは中身が見えないような経路を確保します。

これによって、離れた拠点どうしでもあたかも同じLANに接続しているような環境を作り出せるのです。

また、VPNにはいくつかのプロトコルが存在します。

たとえば、IPSecやOpenVPN、PPTPなどです。

法人向けの場合、強固な暗号化方式を採用できるプロトコルが使われることが多く、複数の拠点やリモートワーク端末から統合的に通信を制御できるように設定するのが一般的です。

導入前にプロトコルの特徴を調べ、自社で必要とする通信レベルやセキュリティ強度を考慮して選ぶことが大切といえます。

さらに、VPNの運用には利用者側の注意も必要です。

端末からVPNへ接続する際にパスワードや証明書を使う場合、その管理を徹底しないと不正アクセスを許してしまいます。法人の場合には定期的にパスワードを更新し、従業員への教育を行うことでセキュリティを強化しやすくなります。

VPNはセキュリティの要ですが、適切な運用と管理を行わないと本来の役割を果たせません。まずは基本的な仕組みと役割を理解し、安全で快適な通信環境を構築しましょう。

VPNと専用線の違い

VPNと専用線では、通信を行う経路の確保方法が異なります。

専用線は物理的に独立した回線を用意して、拠点間を直接つなぐ方法です。大がかりな工事と高額な利用料金がかかりますが、帯域幅や通信速度を安定させられる利点があります。

一方で、導入コストやランニングコストが非常に大きくなりやすい点が法人の悩みとなることもあります。

VPNはインターネット回線を暗号化して仮想の専用線を作る技術です。物理的な専用線を用意しなくても済むため、コストを抑えやすい特徴があります。

ただし、インターネット回線を使うので、回線混雑時には通信速度が低下するおそれがあります。その分、柔軟な拠点追加と拡張性、遠隔地の社員が手軽にアクセスできる利点は見逃せません。

また、セキュリティ面でも違いがあります。専用線は物理的に独立しているため、よほどのことがない限り外部から侵入しにくいです。

VPNは暗号化を使うことで安全性を確保しますが、設定ミスや脆弱性がある場合はリスクが残るため注意が必要です。コストとセキュリティのバランスを見極めたうえで、法人のニーズに合った方法を選ぶことが重要です。

　

法人向けVPNの費用相場はいくら？

法人向けVPNにかかる費用は、初期設定と毎月のランニングコストに大きく分かれます。

たとえば導入時にはVPN機器の購入費用やネットワーク設定、セキュリティの強化に必要なソフトウェアやライセンスの費用などが発生します。

特に大規模企業の場合は複数の拠点やユーザーを同時に接続する必要があるため、機器や回線の処理能力を高める追加投資が必要になることも少なくありません。

一方で、中小企業の場合はクラウド型のVPNサービスを選ぶことで導入費用を抑える方法もあります。クラウド上でVPNのインフラを提供するサービスを契約すれば、自社でサーバーや機器を保有するコストを削減できることが多いです。

ランニングコストも月額定額制や従量制など、さまざまな料金プランがありますので、自社の利用規模に合わせて最適なコースを選ぶと無駄が減ります。

また、VPNサービスのブランドやサポート体制によって金額は大きく差がでます。

セキュリティ機能が手厚く、24時間のサポートが付くようなプランは費用が高めですが、万が一のトラブル時にはすぐに専門家が対応してくれる安心感があります。

法人であれば、安さだけを重視するよりも、インシデント対応やアップデートの速さを重視した方が結果的には業務リスクを減らせます。

導入時にかかる初期費用

法人向けVPNの初期費用には、ハードウェアの購入費と設定費用があります。

ハードウェアの例としてはVPNルーターやファイアウォール機器、認証サーバーなどが挙げられます。また、大企業の場合は冗長化のために複数台の機器を導入するケースもあるので、その分だけ費用が跳ね上がります。

クラウド型のVPNを利用する場合でも、初期構築の支援サービス費用やエンジニアの設定サポートなどが必要になるかもしれません。

さらに、セキュリティの要件が厳しい法人では証明書の導入や二要素認証の仕組みづくりなど、追加の仕掛けが必要になります。これらをしっかり行うと安全性は高まりますが、初期投資が大きくなる点に留意が必要です。

ただ、企業の機密情報を扱う場合は、セキュリティ強度をおろそかにしてリスクを負うより、早めに堅牢な環境を整えた方が結果的に事故コストを削減できる可能性が高いです。

導入時の初期費用を抑えるためには、最初に必要最小限の構成を作ってから徐々に拡張する方法もあります。中小企業やスタートアップの場合、この段階的な導入が予算管理上も有利です。

まずは主要拠点や在宅勤務者向けに必要な機能だけを実装し、運用を回しながら拡張していくことを検討するのも有効な戦略です。

ランニングコストの内訳

法人向けVPNのランニングコストは、月々の回線費用やサービス利用料、保守サポート費で構成されることが一般的です。

もしオンプレミスで自社運用する場合には、機器のメンテナンスやセキュリティパッチの適用などにかかる運用負荷が追加される点を考慮しないといけません。

クラウド型VPNを利用する場合は、プロバイダが用意するサーバーや機器を借りる形式なので、自社内の設備投資や保守コストを減らせる可能性があります。

また、VPNの利用ユーザー数が増えるほどライセンス費用が上がる仕組みを取っているサービスもあります。

大企業では数百名、場合によっては千名単位で接続することがあるため、契約時には人数スケールも重要な検討ポイントです。

さらに、サービスプロバイダによってはシステム障害や緊急時の対応レベルが異なるため、手厚いサポートを希望する場合はオプション費用が追加されるケースも多いです。

法人の場合は社内システムとの連動が必要になることもあります。たとえば認証システムやメールサーバー、グループウェアとの連携など、連動する箇所が増えるほど設定や保守の手間がかかり、ランニングコストにも影響します。

定期的なソフトウェアアップデートや暗号化アルゴリズムの変更なども発生するため、費用は定期的に見直しながら、企業の成長や働き方の変化に合わせて調整するとよいでしょう。

　

法人向けVPNを利用するメリット

法人向けVPNを導入することで、社内データの安全性が高まり、業務効率が向上するメリットがあります。暗号化により通信内容を守るため、外部からの攻撃や盗み見のリスクを低減できます。

さらに、世界中どこからでも社内ネットワークに接続できるようになるので、リモートワークや出張先での業務もスムーズに進めやすくなります。

特に最近は在宅勤務が普及しており、安全に外部から社内資源を利用するニーズが増えています。

VPNは専用線に比べてコストを抑えながら、広範囲に利用できる柔軟性があります。新しい拠点を追加する際も、物理的な工事をする必要がほとんどありません。クラウド環境と組み合わせることで、セキュリティや運用性もさらに向上します。

たとえばアクセス制限やログ監査を組み合わせれば、誰がいつどのシステムに接続したかを管理しやすくなるので、情報漏えいや不正利用を防ぎやすくなるでしょう。

情報システム担当者の負担軽減もメリットです。

VPNが統合的に管理されていれば、ユーザーごとにアクセス範囲を細かく制御でき、認証の仕組みをまとめて管理することが可能です。

また、従業員は会社PCから簡単な操作でVPNに接続できるため、現場レベルでのトラブルも少なくなります。

セキュリティ向上とリスク軽減

法人がVPNを導入すると、データのやり取りが暗号化されるので、攻撃者が傍受しても中身を簡単には読めません。

特に機密性の高い設計図や顧客情報、決済情報を扱う企業にとっては、こうした盗聴対策が不可欠です。また、ネットワーク内での通信を一括監視できる仕組みを取り入れれば、不正アクセスや怪しい動きがあった際に即座に対処できる強みもあります。

さらに、VPNは遠隔地の従業員が利用する場合でも常に同じセキュリティレベルを維持します。

在宅勤務や出張先のWi-Fiなど、公開ネットワークを利用する際でもVPNさえしっかりと設定していれば、情報が外部に漏れるリスクは低くなります。パスワードやIDの管理を厳格に行えば行うほど、内部不正を含む情報漏えいを防ぎやすくなるメリットもあります。

セキュリティ意識が高まることで、従業員も慎重にデータを扱うようになります。

もし社内規定にVPNの利用が義務づけられていれば、気軽に外部クラウドサービスへ機密データをアップロードするといった事態も減らせます。

最終的にはコンプライアンスの遵守につながるため、信用力を高めて企業としての価値を上げる効果も期待できるでしょう。

リモートワークの活性化

法人向けVPNを使うと、在宅勤務や海外出張など場所を問わずに安全なアクセスが可能になります。遠方で働くスタッフも社内のファイルサーバーや業務システムへスムーズに接続できるため、業務効率を下げずに仕事が進められます。

また、緊急時や自然災害が発生した際にもVPNが役立ちます。

拠点が使えなくなっても、リモートから仕事を続けられるため、事業継続性が向上します。

VPN環境がなければ、社内システムへのアクセスが制限されて業務が停止するリスクが高まるでしょう。安全なリモートワーク基盤が整っていれば、社員が離れた場所でも通常通り作業ができるので、顧客対応やサービス提供の継続がしやすくなります。

さらに、VPNを活用することで部門間の情報共有も円滑化します。

支社や子会社が遠隔地にあっても、VPN経由で同じネットワークに接続すれば、ファイル共有やコミュニケーションツールを一体化しやすくなります。

結果として意思決定のスピードが上がり、新しいアイデアの創出やコラボレーションが促進されるでしょう。

リモートワークの導入を考えるなら、セキュアなVPN環境を整えることが欠かせません。

　

法人向けVPNの選び方

法人向けVPNを導入するときは、セキュリティレベルやコスト、サポート体制を総合的に比較検討する必要があります。

複数の拠点や多様なデバイスからアクセスする場合、VPNの利用状況を一括で管理できる管理画面があると便利です。

通信ログをモニタリングできれば、不審なアクセスをいち早く発見できますし、利用実績を踏まえた予算管理や拡張計画も立てやすくなります。自社の成長や働き方の多様化に対応できる柔軟性を備えたサービスを選ぶことが失敗しないコツです。

セキュリティレベルの評価

VPNの暗号化方式や認証プロトコルが最新のものに対応しているか確認しましょう。古いプロトコルを使っている場合、ハッキング手法が進歩するたびにリスクが高まるおそれがあります。

法人がVPNを選ぶ際、セキュリティレベルが不十分だと攻撃者の標的になりやすくなります。

たとえば暗号化方式が古いと、最新のハッキング技術によって解読されるリスクが高まります。対策としては、AES-256やIKEv2など、強度の高い暗号化と安全なプロトコルを採用しているサービスを重視しましょう。

また、二要素認証や多要素認証に対応しているかもチェックポイントです。

パスワードだけの認証だと、従業員のパスワード管理が甘い場合に突破されるリスクがあります。ワンタイムパスワードやスマホ認証などを組み合わせると、アカウント乗っ取りを防ぎやすくなります。

さらに、証明書ベースの認証を導入することで、不正な端末からの接続を防ぐことが可能です。

セキュリティ運用面で考えると、定期的な脆弱性診断やログ監査、パッチ適用のスピードも重要です。サービスプロバイダが最新のセキュリティ動向を追いかけて、利用者に迅速なアップデートを提供してくれるかどうかも大事になります。

導入前にトライアルやデモ環境でテストして、運用性やセキュリティの仕組みを実際に確認してみると、後悔のない選択につながるでしょう。

運用コスト

次に、ライセンス形態や月額料金の仕組みを把握し、自社の利用人数や拠点数に合ったプランを選択することが大切です。

特に中小企業やIT担当者が少ない法人では、トラブル対応の外部支援が重要になります。

導入時に専門スタッフが設定を支援してくれるかどうか、運用中に不具合が発生したときどの程度の対応をしてもらえるのかを事前に確かめておきましょう。

VPNは導入後も継続的な運用コストが必要なので、あらかじめ月額費用やサポート費を含めた総コストを試算しておく必要があります。

安価なVPNサービスを契約したとしても、サポートがほとんどなく、トラブル時に問題解決が遅れてしまうと業務に支障をきたし、結果的に余計な費用がかかるケースがあります。

法人の場合は、コストだけでなく、緊急時に即応してくれるサポート体制を重視する方が長期的には安心です。

サポート体制

また、サポート範囲がどこまで含まれるかは細かく確認しましょう。

24時間365日の電話サポートがあるのか、オンラインチャットやチケット対応だけなのかで、緊急時の対応スピードが変わります。

たとえば、VPNクライアントの設定だけでなく、ネットワーク障害の原因調査や復旧作業までを請け負ってくれるかどうかは大きな差になります。英語のみのサポートしか提供されないサービスだと、コミュニケーションコストがかさむことも考えられるため、自社スタッフがサポートを使いこなせるかという点も見落とせません。

なお、将来的に拠点数や利用者数が増加する見込みがある場合、スケーラビリティの高いプランや契約形態を選ぶと、アップグレードが容易です。

ライセンスを追加するだけで対応できるサービスや、上位プランに移行しやすい料金体系など、今後の成長を前提に契約しておけば、無理なく拡張できます。

運用コストとサポートの質を総合的に評価して、自社にぴったりのVPNサービスを見つけましょう。

　

法人向けVPNおすすめ5選

法人向けのVPNサービスにはさまざまな種類がありますが、ここでは代表的な5つをピックアップして特徴を紹介します。

コスト重視、サポート重視、セキュリティ重視など、法人によってVPNに求めるものは多種多様です。以下の解説を参考にして、自社に合った選択肢を見つけてください。

なお、導入時の具体的な費用やプランの詳細は各サービスの公式サイトや営業担当者に直接確認することをおすすめします。

SUIKA VPN Team IP Service

SUIKA VPN Team IP Serviceは、国内拠点を中心に安定した通信品質と柔軟な構成が特長のサービスです。

強固な暗号化方式を採用しており、大企業や官公庁など、セキュリティ面に厳しい組織でも導入実績があります。大規模ユーザー数にも対応しており、サーバーの負荷分散や冗長化設計がしやすい点が魅力です。

また、管理画面が使いやすく、ネットワークの状況をリアルタイムでモニタリングできる機能が備わっています。トラブル発生時には24時間のサポートを受けられるため、IT部門の担当者が少ない企業でも安心して運用できます。

コスト面ではやや高めの設定になっている場合がありますが、その分セキュリティの強化やサポート体制を重視する法人にとってはメリットが大きいです。

導入時には技術者が接続環境のテストやネットワーク構成のアドバイスをしてくれるプランもあり、初めてVPNを本格導入する企業でもつまづきにくいでしょう。

全社規模でリモートワークを実施している、もしくは検討している法人にとって頼りになる選択肢のひとつです。

　

SmartVPN

SmartVPNは、手頃な料金設定とシンプルな導入手順で人気のあるサービスです。

中小企業からベンチャー企業まで幅広く利用されており、エントリーモデルから始めたい法人に向いています。管理画面もわかりやすく、運用コストを抑えたい、IT担当者が少ないという企業でも使いやすい設計です。

また、必要に応じてプレミアムプランにアップグレードすると、より強力な暗号化や多要素認証、専用のサポート窓口なども利用できるようになります。

運用を進めながら段階的に機能を拡張したい法人には最適です。

ただし、大規模な拠点数や数千人規模のユーザーを同時接続するようなシチュエーションでは、負荷対策や運用ノウハウが求められます。

事前にSmartVPNのサポートに相談して、要件に合ったプランを確認しましょう。

コストパフォーマンスを重視しつつも、セキュリティレベルやサポート体制で妥協したくない法人にとって、SmartVPNは魅力的な選択肢です。特にリモートワークの導入をまだ始めたばかりで、初期費用を抑えたい企業は一度検討してみる価値があります。

　

クラウドVPN Verona

クラウドVPN Veronaは、クラウド上で仮想的な拠点間接続を実現するサービスです。

自社に機器を置かずにネットワークを構築できるため、オンプレミスの設備投資を最小限に抑えられるメリットがあります。拠点追加も比較的簡単なので、多店舗展開や海外支社のある企業にも向いています。

さらに、管理はすべてWebベースのポータルから行えるため、物理機器の更新や修理などに時間を取られる心配がありません。ソフトウェアアップデートもクラウド側で自動的に行われる仕組みがあり、セキュリティアップデートを常に最新の状態に維持しやすいです。

もちろん従来のVPNプロトコルを利用しながら、クラウドと組み合わせるハイブリッドな構成も可能です。

導入サポートも充実しており、短期間でネットワークを構築できるケースが多いと評判です。

ただし、インターネット回線の品質がそのままVPNの安定性に影響するため、回線状況が不安定な地域では速度低下や接続の途切れが起こる場合があります。

その点を考慮して、通信インフラの整備状況を踏まえた導入計画を立てることが成功の秘訣です。

　

Arcstar Universal One

Arcstar Universal Oneは、大手通信キャリアが提供する法人向けVPNサービスです。

海外拠点を含む大規模ネットワーク構築に強みがあり、グローバルに展開する企業でも快適に利用できます。通信キャリアとしての信頼性や実績が高く、回線品質やサポート体制の面で安心感があります。

専用回線やインターネットVPNだけでなく、さまざまなオプションサービスと組み合わせられることもポイントです。

たとえば、クラウドサービスとの連携やモバイル回線の活用など、企業が持つ複雑なニーズに対応できる仕組みがそろっています。

ただし、総合的にみると費用は高めになる傾向があるため、必要な機能に対して適正なプランを選ぶことが重要です。

Arcstar Universal Oneでは、専任のエンジニアが大規模ネットワークの設計から運用までサポートしてくれるため、IT部門が手薄な法人でも安心です。

海外拠点のネットワーク接続を短期間で進めたい場合や、高負荷で安定した通信が求められる状況などでは、選択肢として検討する価値があります。

　

Glocal VPN

Glocal VPNは海外拠点の多い中堅企業やグローバル企業に注力したVPNサービスです。

世界各地にアクセスポイントを展開しており、海外からの接続でも遅延を抑えやすい設計が魅力です。データセンターの分散配置により、障害が起きても別のリージョンに切り替えられる柔軟な運用が可能です。

また、利用企業が拠点を移転したり新規設立する際にも、Glocal VPNのサポートチームが現地回線の手配やネットワーク設定を手伝ってくれるので、導入ハードルが低くなります。

セキュリティ面でも強固な暗号化や多要素認証に標準対応しているため、海外のリモートワーク環境でも安全を確保しやすいです。

料金プランは拠点数や利用人数に応じて柔軟に選べるため、事業拡大のフェーズでも無駄なく運用できるメリットがあります。

多国籍なチーム構成や海外支社の多い法人が、世界中で同じネットワーク環境を実現したい場合には要注目です。

　

無料VPNの注意点と有料VPNとの違い

無料VPNはコストをかけずに手軽に始められますが、法人利用では注意が必要です。

まず、無料サービスは通信速度が不安定なことが多く、業務効率を落とす可能性があります。

さらに、暗号化レベルが十分でない場合やログを第三者に共有するようなポリシーがある場合もあり、セキュリティリスクが高いです。顧客データや企業秘密をやり取りする法人にとって、情報漏えいのリスクは見過ごせません。

一方、有料VPNは料金が発生するものの、専用のサポート窓口や手厚いセキュリティ対策を享受しやすい利点があります。

特に法人向けサービスでは、緊急時に専門家が迅速に対応してくれる体制が整っているため、問題が長引くのを防ぎやすいです。

無料VPNとは異なり、専用の管理画面や細かいセキュリティオプションが用意されていることが多いので、業務システムとの連携もスムーズになります。

また、無料VPNでは常時広告が表示されたり、帯域幅の制限が厳しく設定されていることもあります。

ビジネスで使うには不都合が多く、業務上の信頼性を損なう要素になりかねません。結果的に生産性を落としてしまえば、コストをかけてでも有料VPNを導入したほうが得策となるケースが多いでしょう。

安全性や安定性を最優先に考える法人であれば、有料VPNの導入が現実的な選択肢といえます。

データ漏洩リスクとサポート

無料VPNを利用すると、通信内容が正しく暗号化されていない可能性があります。

さらに、サービス運営元が利用者のデータを収集して外部に提供するリスクも否定できません。ビジネスで扱う情報には顧客の個人情報や企業の戦略データなど、流出すると大きな損害を被るものが多く含まれます。

コストゼロの魅力に惹かれて利用すると、後から高額な損害賠償を抱える危険があるのです。

また、無料VPNでは障害が起きてもすぐには復旧されず、サポート窓口さえ設けられていないケースがあります。

法人の業務がストップすれば、納期の遅れや顧客対応の不備が生じ、信用問題につながる可能性があります。一方、有料VPNなら24時間サポートの体制を備えているサービスも多く、何か問題が起きた際に素早く対応してもらえます。

障害復旧の早さや運用の安定性は、法人利用で欠かせない要素といえるでしょう。

法人がVPNを選ぶ場合、無料サービスは大きなリスクを含んでいることを認識する必要があります。

業務停止や情報漏えいといった被害に比べれば、月額費用や初期費用は必要な投資と考えるのが妥当です。

安全な環境と適切なサポートによって、会社の信用を守りながら業務を円滑に進めるためにも、有料の法人向けVPNを選ぶことが望ましいです。

　

法人向けおすすめVPNまとめ

法人向けVPNは、コストを抑えながら高いセキュリティを実現でき、リモートワークや海外拠点との連携にも役立つ有力なソリューションです。

専用線と比べて柔軟性が高く、企業の成長や働き方の変化にも対応しやすいメリットがあります。

ただし、導入する際には初期費用やランニングコスト、セキュリティ機能、サポート体制などを総合的に検討し、最適なサービスを選ぶことが大切です。

SUIKA VPN Team IP ServiceやSmartVPN、クラウドVPN Verona、Arcstar Universal One、Glocal VPNなど、さまざまな特徴をもつサービスが存在します。

自社の要件を明確にして、導入後のサポートや運用のしやすさを踏まえながら比較しましょう。

また、無料VPNの利用はリスクが大きいため、基本的には有料VPNの導入を検討するのが安全策です。

適切なVPNを導入して、セキュリティと効率を両立させましょう。